花粉エキスを原料につくられたポーレンリフは自律神経失調症に効果的ですが、人の健康に必要な栄養素が豊富に含まれているため、それ以外にも様々な効果が期待できます。
そもそも花粉とは顕花植物の小胞子のことで、動物で言えば精子にあたります。細胞が分裂する前の状態であり、いわば生命の母体です。たんぱく質、ミネラル、ビタミン、必須アミノ酸、核酸、80種類に及ぶ酵素、助酵素、植物ホルモン、抗生物質など、人をはじめあらゆる生命に必要な栄養素がすべて含まれています。
それでは、この花粉に含まれる各成分が私たちの身体のなかでどのようなはたらきをするのかを見ていきましょう。
地球上のすべての生命の主成分であるたんぱく質。たんぱく質は細胞をつくる原料で、細胞の大きさと形を決めます。さらに新陳代謝の調節に関係する酵素やホルモンをつくり出すなど、細胞の仕事を手伝います。たんぱく質がなければ生命を維持していくことはできません。生命活動の根幹を支える物質だと言えるでしょう。
私たちの身体は細胞が生まれ変わることによって健康を保っています。たんぱく質は細胞をつくる原料ゆえに成長期はもちろんですが、死にゆく細胞の数が急激に増えてくる中年以降は特に意識的に摂取する必要があります。
新陳代謝が不活発になり、人体の成長に支障をきたします。体力やスタミナが衰えて病気に対する抵抗力も低下し、同時に気力も萎えていきます。また細胞の若返りがうまくいかなければ老化も促進されます。女性ならシワや肌荒れなど、特に美容に関して気になる部分が目立っていきます。
最近、日本人の食生活が欧米型に近づいたため、心筋梗塞や脳梗塞、あるいは糖尿病や痛風、アレルギー性疾患などやはり欧米型の病気が急激に増加してきました。その原因は脂肪類や砂糖とともに動物性たんぱく質を多く摂取しているためと考えられます。
その点、花粉に含まれるたんぱく質は大豆などと同じ植物性です。植物性たんぱく質は動物性たんぱく質と違って悪玉コレステロールを抑え、動脈硬化など成人病を誘発することもありません。
アミノ酸は新しい細胞をつくるための材料となるたんぱく質を合成し、酵素やホルモンの材料となり代謝を調整します。その数は現在分かっているだけでも200数種類に上ります。
また、アミノ酸は体内で合成できるアミノ酸と、合成できずに食物から摂取しなければならないアミノ酸とがあり、食物から摂取しなければならないアミノ酸を必須アミノ酸、または不可欠アミノ酸と呼びます。
必須アミノ酸とはリジン、トリプトファン、スレオニン、バリン、メチオニン、フェニールアラニン、イソロイシン、ロイシン、ヒスチジンの9種類で、花粉はこれら9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいます。花粉が良質なたんぱく食品と呼ばれるのも、アミノ酸を豊富に含んでいるからなのです。
また、花粉のたんぱく質は、アクチン、ミオシンと酵素が働き、ヘモグロビン、ミオグロビンという生命力を持ったたんぱく質であることが判明しています。神経細胞、骨、筋肉、脳細胞の修復に作用することがわかっています。
リジン | 成長発育促進、各種機能促進、抗体・血液の形成促進 |
---|---|
トリプトファン | 体内でニコチン酸に変化 食欲増進 神経機能促進 |
スレオニン | 代謝促進 脂肪肝の防止 |
バリン | 情緒安定 筋肉運動の調整 |
メチオニン | 肝臓機能促進 解毒 成長ホルモンの分泌促進 |
フェニールアラニン | エネルギー産出促進 ホルモンの材料 |
イソロイシン、ロイシン | 脂肪酸代謝促進 |
ヒスチジン | 胃腸運動の調整 造血 |
アミノ酸が数個から数十個つながった形をペプチドといい、たんぱく質は数千から数万個つながった状態をさします。普通、たんぱく質は胃腸でアミノ酸に分解され、はじめて体内に吸収されます。そのため、最初からアミノ酸やペプチドの状態で取り込めば、吸収に時間がかかりません。花粉には分子量が異なるたんぱく質、ペプチド、アミノ酸のいずれもが含まれています。したがって、病気を患って消化・吸収力が落ちている方でも、効率よく摂取できるのです。
ペプチドは体内でいろいろなはたらきをしますが、ホルモンに似たはたらきもします。なかでも小型のものは神経ペプチドとも呼ばれ、神経伝達物質として脳の視床下部を刺激することが分かっています。極小の物質であるため、体内の隅々まで入っていくことができるのでしょう。
ビタミンとは英語の「ヴァイタリティー」、すなわち生命力という名詞を語源にしています。しかし、ビタミンはエネルギー源となる栄養素ではありません。ほかの栄養素のはたらきを調整するのが、ビタミンの役割。たんぱく質と同様、生命の維持に不可欠な成分です。
花粉にはビタミンA、C、E、Hのほか大量に含まれるB群と“幻のビタミン”とまで言われるルチンまで、実にたくさんの種類のビタミンを含んでいます。
しかも、栄養剤や強化食品などに添加されている不活性ビタミンではなくいわゆる活性ビタミンであることも注目されます。活性ビタミンは不活性ビタミンにくらべて約10倍の早さで体内に吸収されます。
“幻のビタミン”と称されるルチン。ルチンの効能には止血や皮膚の回復、毛細血管の脆弱化による様々な出血障害の予防があり、治療のための医薬品としても応用されています。また脳血管の出血や心臓疾患の治療にも用いられています。ルチンは血管を丈夫にし心臓の高ぶりを安定させるので、普段の食生活において意識的にルチンを含む食品(花粉のほか蕎麦やトマト、
グリーンアスパラガスなど)をとることで、心臓病や脳溢血の予防になります。
花粉に含まれるビタミンはみな皮膚や神経系統に何らかの効果があります。ビタミンB1のチアミンやB6のピリドキシンは神経系のはたらきに効果がありますし、B2のリボフラビン、Cのアスコルビン酸は美肌づくりに効果的です。また、ビタミンB5のニコチン酸、B3のパントテン酸は皮膚と神経系の両方に有効な作用が認められています。
新陳代謝に必要なミネラルを多量に含んでいることも、花粉が優れた栄養食品であることの証です。なぜなら、ミネラルは人間が生きていくうえで欠くことのできない生理作用、酵素作用、調整酵素作用と深くかかわっているからです。
ミネラルには30前後の種類がありますが、身体に必要とされる主なものはカルシウム、カリウム、ナトリウム、マンガン、マグネシウム、鉄、ヨウ素、リン、塩素、硫黄、亜鉛、銅、セレンなどです。
カルシウム | 骨や歯をつくる 血液をアルカリ性に保つ |
---|---|
リン | 腎臓機能の正常化 骨や歯をつくる 脂肪・糖の代謝促進 |
鉄 | 血液をつくる |
カリウム | 心臓機能 筋肉機能の調節 水分バランスの調節 たんぱく質の代謝促進 |
マグネシウム | 酵素活性化作用 精神安定 ビタミン・ミネラルの代謝促進 |
硫黄 | 毛髪成分 糖質の代謝促進 |
塩素 | 胃液分泌の正常化 |
慢性病や現代病、あるいは糖尿病をはじめとする生活習慣病などの急激な増加の原因は、健康な身体づくりに欠かせないビタミンやミネラル、酵素といった少量でも効果が大きい、有効微量成分の欠乏にあるという説があります。
酵素とは、動物や植物の細胞のなかでつくり出される触媒作用を持ったたんぱく質化合物の一種です。体内に取り入れられた栄養分を分解したり、化学変化を促進して成分を摂取する作用を酵素反応といいます。
花粉に含まれる酵素は8種類以上。澱粉分解酵素のアミラーゼ、転化酵素のインベルターゼ、消化酵素のジアスターゼなど、消化に関係する酵素が多く含まれているため、花粉を常食すると胃腸の調子が良くなり、食欲増進にも効果的です。また、花粉には変換酵素があり、万能と多様性を可能にする触媒をする能力があります。(例 カタラーゼ、グルタチオン、SODと抗酸化酵素を生む)
また、花粉にはカタラーゼという酵素も含まれており、この酵素は元気だった細胞が衰えたり病気になったりすると減少するので、老化と関係があるとされています。さらに身体に有害な活性酸素(フリーラジカル)を抑える超抗酸化酵素、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)を合成する力もあります。体内の酵素が減少するとガンが発生する、と主張した学者がいるのも当然のことでしょう。
ポーレンリフには下記の様な物質が含まれています。
ミトコンドリア、エネルギー、CAMP、プロスタグランジン、アラキドン酸、サイトカイン、エストロゲン、アンドロゲン(ホルモン)
花粉にはこのほか強い殺菌能力を持つ抗生物質やホルモン物質、あるいは成長促進物質などが確認されています。成長促進物質は単に成長を促進するだけでなく、胃のはたらきを正常にしたり、体力の増強、精神安定作用などの効能も認められています。
花粉の基礎研究の第一人者である岩手大学農学部の勝又梯三名誉教授の研究によれば、アカマツ花粉のなかにはエネルギー物質ATPだけでなく、サイクリックAMPという物質も含まれていることが確認されました。
サイクリックAMPはATPよりさらに向上したエネルギー物質。
人体のなかで感情を表現したり、情緒を感じる精神エネルギーとしてはたらきます。本来なら動物にしか含まれていないと思われていたサイクリックAMPのような次元の高い物質が花粉のなかに見つかったことは、非常に重要な意味を持ちます。
植物であるのに動物に近いはたらきをする。
花粉の機能は限りない可能性を秘めていると言えるでしょう。